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最高裁判所第一小法廷 昭和59年(行ツ)299号 判決 1987年1月22日

主文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理由

上告代理人片山邦宏の上告理由について

被上告人を含む相続人らは第一回遺産分割協議のうち本件相続土地に関する部分を相続人全員の合意によつて解除し改めてこれを第二回遺産分割協議のとおり分割協議をしたものであつて、被上告人の右第二回遺産分割協議による本件相続土地の共有持分の取得は地方税法七三条の七第一号所定の不動産取得税の非課税事由である「相続に因る不動産の取得」に該当すると解されるから、右共有持分の取得に対する本件不動産取得税の賦課処分は違法であり取消しを免れないとした原審の認定判断は、原判決挙示の証拠関係及びその説示に照らし、正当として是認することができる。原判決に所論の違法はない。また、本件訴訟記録によれば、原審の審理上の措置に所論の違法があるとは認められない。論旨は、ひつきよう、原審の専権に属する証拠の取捨判断、事実の認定を非難するか、又は独自の見解に基づいて原判決を論難するものにすぎず、採用することができない。

よつて、行政事件訴訟法七条、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 角田禮次郎 裁判官 谷口正孝 裁判官 高島益郎 裁判官 大内恒夫 裁判官 佐藤哲郎)

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